読書記録「虹の岬の喫茶店(森沢 明夫)

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虹の岬の喫茶店



とある岬にある喫茶店ので繰り広げられる客と店主の物語。

 章ごとに主人公が変わり、妻(母)を亡くした親子や就職活動でなかなか内定がもらえず自分の将来について悩みを抱える大学生、包丁の研ぎ屋として会社を経営していたが、不況などで倒産してしまった上に妻と娘が出て行ってしまったことなどから人生に疲れ、岬の喫茶店に泥棒に入った男、店主である悦子に想いを寄せる常連客、学生の頃は不良だった悦子の甥っ子が登場し、それぞれの人生について描かれていて、この喫茶店を訪れたことで人生の新たな一歩を踏み出していく。

 

私はこの本の中で、特に感銘を受けたのが、第2章の主人公である学生(イマケン)と店主の甥である浩司が釣りをしながらの会話のシーンです。

イマケンは就職活動でなかなか内定をもらえず、就活に嫌気が差していました。そして、浩司に「就活なんてやめてしまおうかな」と言い、「もし、サラリーマン生活に夢を持てないのなら、就活やめた方がいいか?」と尋ねると、浩司は「迷った時はロックンロールな道をいくと面白いよ」と答え、「多少のリスクがあっても、わりとなんとかなるもんで、自分が一生懸命やっていれば、いざというときは誰かが手を差し伸べてくれる」と言った。

私はこの部分を自分の人生と重ねながら読みました。私は今の仕事にあまりやりがいを感じていなく、転職や独立を考えることがあるのですが、失敗を恐れてなかなか行動に移せていません。

この浩司の台詞を読み、行動する勇気をもらうことができました。